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出生前診断を批判する前に、障害を持つ子を産むという事を考えてみよう

 現在は、子供が産まれる前に病気や障害がないかを判断することが出来る出生前診断と言うものがあります。あるニュースでは、出生前診断で異常が見つかった場合の中絶に至る確率は97%と書かれていました。

 そんな出生前診断にを批判する意見があるのも、仕方がないと思います。しかし、批判をする人にならずにしっかりとした知識を持った上での批判をするようにしましょう。

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目次

 

障害を持つ子を産むという事を理解しよう

 出生前診断の前に、障害を持つ子を産むという事について話したいと思います。私は障害を持つ子供も、子供も居ませんので想像の部分が多くなると思います。しかし、実際に関わる機会は多いのでそこから見えてくるものもあります。

 障害を持つ子を産むと言うことは、その子の人生を一生心配して行かなければいけない事だと思います。まだ親の生きている内は、面倒を見ることが出来ます。しかし、親が亡くなっても子供はまだ生きているのです。

 親が死んでも、子供はちゃんと生活していくことが出来るのか、施設で酷い目に遭うことはないのか。などと言う心配をしたまま死んでいくことになるかもしれません。親が感じる負担、責任感はとても重いものになるのではないでしょうか。

 

 また、障害の程度によって変わりますが軽度の子の場合は、就職をして生活するしていく人も多いです。しかし、重度の子の場合はそうはいきません。一日中介護、見守りが必要な子もいるのです。

 施設に入れればいいじゃないか。そう言われてしまえば、その通りかもしれません。ただ、施設内虐待があるのが現状です。子供を持つ親の気持ちとしては、自分が元気な内は家で面倒を見たいと思います。

 

本で理解

障害をもつ子を産むということ―19人の体験

障害をもつ子を産むということ―19人の体験

 

  こちらの本では、障害を持つ子を産んだ19人の母親の体験談を読むことが出来ます。障害者理解を深めるため、親の気持ちを知るために読むことをおすすめしたい本です。実際に読むことで、感じるものや今までの価値観が変わってくると思います。

 

親も一人の人間

 出生前診断をして中絶をするなと言うことは

 

「これから死ぬまでその子の面倒を見ろよ」

「死ぬまで介護をしろよ」

 

 と言っているのと同じだと言う事を理解しましょう。

 

 批判をする人は、批判だけで終わります。しかし、批判された親の気持ちを考えてしてはどうでしょうか。中絶をした場合に、後悔して過ごさなければならない。中絶しなかった事を、後悔しながら過ごさなければいけないかもしれません。

 もちろん、子供の人権も大切です。けれど、親も一人の人間であると言う事を理解しなければいけません。もし、あなた自身が同じような状況になった場合に中絶しないと言う選択肢をすぐに言えますか。その事をよく考えてみてください。

  あなたは、

・娯楽

・休日

・仕事

 全てを犠牲になるかもしれない覚悟を持ってまで、子供の面倒を見ることが出来ますか。障害を持つ子を産むと言うことはそうなるかもしれないと言うことではないでしょうか。

 

決して良いとは言えないが......

 出生前診断からの中絶は決して良いものだとは言えません。しかし、親の気持ちを考えた時に、もし自分だったらと考えた場合には賛成してしまうかもしれません。それほどまでに、一人の人間の一生を背負うと言うことは重いことなのです。

 障害を持つ子を産んだから、全部が全部大変と言うことはないです。ただ、確実に負担が増えると言えます。周囲からの目、親からの愚痴などもあります。今の社会は、まだまだ障害者に冷たい社会ですから障害を持つ子の親は生活をしにくいと思います。

 

なぜ、中絶が多いのかを考えてみる

 なぜ、出生前診断で異常が分かった時の中絶の確率が高いのかを考えてみます。私が思うのは、社会が障害者に冷たいからではないでしょうか。親が障害を持つ子なんて産みたくないと考える背景には、それを許さない周囲の環境があるからだと思います。

 障害者の制度の充実、障害に対する理解の低さが、親が中絶したいと考える要因になっているのではないかと感じます。

 もしも、周囲の理解、障害者が過ごしやすい社会であるのなら、中絶の確率はもっと低くなるのではないでしょうか。

 

批判をする前に出来ること

 中絶に対して、批判をする事は簡単に出来ます。しかし、批判をしているだけなら現状は変わらないのではないでしょうか。人にダメと言う前に、自分は変わろうと努力をしましたか。

 批判をする前に、障害についての理解を深めるべきだと私は考えます。理解を深めた上での、批判であるなら説得力があります。理解もなく、可哀想だから、人としていけない、などの理由で批判をする事は何かが違うと私は思います。

 

終わりに

 障害を持つ子を産む親の気持ちを周囲が理解し、社会全体でそれを支えていけるような環境づくりが必要だと思います。批判をすることも良いと思いますが、その前に出来る事を個人がやることの方が重要ではないでしょうか。